三谷温泉の老舗(しにせ)、蒲郡ふきぬき観光ホテル(高木良輔社長)は、営業不振を理由に十五日から営業を休止し、来年四月に再開をめざしている。
同ホテルを経営する富貴貫は十一月に二回目の不渡りを出したため、一部新聞に「事実上の倒産」と伝えられた。ホテル側によると、そのため十一月から一月まで二万三千人ほどの予約が入っていたが、約五千件キャンセルされたという。
ふきぬきホテルは昭和十四年に創業客室数七百五十一、収容人員千人で、三谷温泉では最大規模の和式ホテル。大浴場に水車を配して話題になったこともあった。
ピークには二十三億円を売り上げたが、バブル崩壊後は低迷していた。本館を増改築したり、露天風呂(ぶろ)や中華料理コーナーを新設するなど設備投資をして立て直しを計ったが、負担が重く累積赤字が膨らんでいた。